2018/05/06

以前執筆した「ワイン通になれる3つのポイント」の、ポイントの一つに「チリワインを買うべし」と発信したところ、ワイン輸入インポーターの元同僚N氏より、「アルゼンチンワインも取り上げてよ!”(-“”-)”」と連絡が入りました。N氏は北海道出身なので、「そだね~」と返事をして数週間経過。今回アルゼンチンワインを執筆することにしました。何故アルゼンチンワインを取り上げなかったのか?
その訳は、アルゼンチンワインは、初心者にはちょっと難しいかな?と考えていたからなのです。チリの隣国にして、ワインの品質が勝るとも劣らない上、チリワイン同様リーズナブルなのに、日の目を浴びてませんし、しかも初心者におススメするにはあまりにも輸入量が少ない(スーパーとかで気軽に買えない)ということ。ワインの勉強上、ブドウ品種がマイナーなものであることでした。
ただし、これから知って欲しいワインだし、とても魅力のあるワインでだし、ネット通販で買えるな、と気付き、執筆・発信することにしました。
今回の趣旨です:アルゼンチンワインは、気軽に飲んで食べて楽しく覚えるワインです
そもそもアルゼンチンはどんな国なのか?そして⇒「ワイン」⇒「料理」と、進めていきます。
sponsored link
アルゼンチン共和国
我々の足元の地面をひたすら堀り続け真裏にたどり着くと(マグマがあるから実際は無理(^_^))、そこが南アメリカ南部のアルゼンチンです。チリと共に大西洋沿いに長く位置し、ボリビア、パラグアイ、ブラジル、ウルグアイの5か国と海に囲まれた縦長な国です。南極にも近いですよね。南極の一部の領有権を主張しています。
また、多民族国家として知られています。660万人もの移民を受け入れており、主にイタリア、スペインからの移民が多く、その他ドイツ、イギリスなどヨーロッパ人の血統が多いのです。ヨーロッパ系が8割を超します。ブラジルとはあまり仲がよろしく無いようです。サッカーのせいかな?
さて、アルゼンチンって聞くと何を思い浮かべますか?サッカー?アルゼンチンタンゴ?マテ茶?
いや、アルゼンチンといえば、今やワインです。そして料理は「肉」です。
アルゼンチンのワイン
特徴
チリとの国境に、アンデス山脈がそびえたちます。その麓に沿った地域にワイン畑が連なります。そこが産地です。大陸性気候であり温暖であり、土壌はブドウの生育にうってつけな砂土・ローム層になっています。アンデス山脈から吹き下ろす風で、一年を通して乾燥・少雨でブドウの病害も少ないのです。雨は少ないけどアンデスの雪から生まれる美しく豊富な水に恵まれているのです。また、夏には最高気温が40度になり(日本も暑くなってきましたが)昼夜の気温差があることにより、とても良質なブドウが出来るのです。
ブドウ品種
まず、冒頭に述べたマイナーなブドウ品種が、アルゼンチンワインの代表品種です。それは「マルベック」と、「トロンテス」です。その他はチリワイン同様、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノ・ノワールなどメジャーなブドウを栽培しています。
代表品種「マルベック」「トロンテス」を知るには、アルゼンチンワインを飲むしかありません。
マルベック
特に代表品種は「マルベック」と覚えてしまってください。マルベックという品種は、ワイン伝統国である欧州ではブレンド用に使われているのですが、アルゼンチンでは主要品種であり、骨格となります。「マルベック」の味を覚えるならアルゼンチンワインを飲むしか方法はありません。カベルネやメルローよりも栽培には日照を要し、涼しい気候では育ちにくいという特徴があります。隣国のチリ同様、果実味がとても豊かでしっかりとしてます。黒ワインという表現方法もある程、色が濃く、タンニンがしっかりとしています。プラムや干しブドウの香りがしてボディはパワフルな印象がします。アルゼンチン人は「肉」をよく食べるので、この赤ワインが国民に受け入れられている要因なのです。
産地ですが、アンデス山脈の雪解け水に恵まれている標高が高いメンドーサ州で約7割造られているのが特筆です。
トロンテス
アルゼンチンでしか栽培されない「土着」の品種です。マスカット・オブ・アレキサンドリアがルーツであり、フレッシュさやフルーティーさ・華やかな香りのぶどうです。標高の高い畑で栽培される事が多く、しっかりとした酸を持つのが特徴です。チリ同様醸造技術がものすごく良くなっています。安いワインばかりでなく、中級~高級プレミアムワインも造られています。
主なワイン
クマ・マルベック
量販店でもワイン棚の尺数が大きい売り場にはあります。100%オーガニックブドウで造られており、レーズンとヴァニラのニュアンスが絶妙です。988円で買ってきました。良~く探すとあります。
テリトリオ・マルベック
ダークチェリー、ブルーベリー等の果実味とスパイシーなニュアンスが特徴的な1本。重厚感とシルキーなタンニンが楽しめます。1500円強。
ミッシェル・トリノ クマ オーガニック トロンテス
有機栽培のトロンテスのみで造られており、バラやジャスミン、桃の香りが爽やかでほのかな甘みとともにフレッシュさを醸しだしています。「クマ」というのは、インディアンの言葉で「クリーンでピュア」という意味です。相当リーズナブルでオススメです。988円。
ボデガノートン カベルネソーヴィニョン
土着品種以外でカベルネを1本紹介します。とにかくアルゼンチン料理は肉が多いので赤ワインは必須です。ブラックチェリーやカシス、 プラムの香りが華やかで飲む前からその凝縮感がしっかりと感じられます。豊富な果実味と濃厚なタンニン、そして ほのかな樽香のバランスが素晴らしい逸品です。1500円強
アルゼンチンの料理
アルゼンチンの国民は野菜を食べない、とまで言う人がいます。マテ茶を飲んでれば野菜は要らない!というほど肉を中心にした食文化があります。一方、イタリア移民が多く、パスタや、ドゥルセ・デ・レチェなどの菓子類等も良く食されています。
今回の趣旨を繰り返します。「アルゼンチンワインは、気軽に飲んで食べて楽しく覚えるワインです」
肉料理
多彩な肉料理がありまして、アサード、ビフェ・デ・チョリソ(サーロインステーキ)、パリージャ(Parrilla)も有名です。
アサード
la
まあ、焼肉です。BBQみたいなもんで、ブラジルでは「シュラシュコ」ですが、ここではアサードもしくは、チョリソや臓物も含んだ焼肉の盛り合わせであるパリージャ(Parrilla)も有名です。
ビフェ・デ・チョリソ
ステーキと豚肉の腸詰のソーセージです。ステーキもいろんな部位のステーキがあり、サーロインステーキ、フィレステーキ、Tボーンステーキ、ロースステーキ等々、ボリュームたっぷりをペロリです。赤ワインが多いのも頷けます。
エンパナーダ
エンパナーダ(EMPANADA)とは食事用のパイのことで、オーブンで焼くノーマルタイプと、油で揚げる”フリット”タイプがあります。具の基本は牛肉の角切りやミンチ、鶏肉、ハム&チーズ、野菜、ウミータ(トウモロコシとホワイトソース)が定番で、その他にもいろいろな種類のものがあります。トロンテスのワインと合わせると良いでしょう。
チョリパン
ファストフードとしては、チョリソをパンに挟んだチョリパンという料理があり、チミチュリや野菜などのトッピングもなされる。アルゼンチンのソウルフードとも言われています。
アルゼンチンワインは、気軽に飲んで食べて楽しく覚えるワインですのまとめです!
アルゼンチン共和国とは
南アメリカ南部、チリと共に大西洋沿いに長く位置し、ボリビア、パラグアイ、ブラジル、ウルグアイの5か国と海に囲まれた縦長な国です。
アルゼンチンワイン
肉料理が多いため、タンニンがしっかりとした赤ワイン、特に「マルベック」のワインが主流です。果実味がとても豊かでしっかりとしており、黒ワインという人もいます。
アルゼンチンの料理
主に肉料理です。アサード、ビフェデチョリソ、エンパナーダ、チョリパンなど
見てきて気付いた方が多いと思いますが、アルゼンチンの料理といったら、焼肉・BBQやステーキなのです。それが郷土料理なのでした。もちろん肉質が違ったり気候風土が違うのは当たり前ですが、こういった料理と、アルゼンチンの特にマルベック、トロンテスと合わせてみてください。楽しみながら覚えるのが一番です。
