2018/05/06

「ローヌのワインが好きです」なんてセリフが言えるようになったら、アナタも立派なワイン通。南フランスを周遊して来た体験を基に、コートデュローヌのワインと料理の素晴らしさを伝授します。日本の食卓にも合うんですよ~♪
20年前、新婚旅行先のフランス首都パリにて、スリにあったり、言葉が通じずもじもじボソボソ注文したレストランで「なんだこりゃぁ~!!!」というものが大盛で出てきてしまったり、散々な目にあった筆者が昨年、渋々再度渡仏。但し今回は都会(パリ)で無く、南フランス。これが大当り♪日本人にも優しい、南フランスの素晴らしい景観とともに、ワインとそれに合う料理を体験談を含めて詳しく説明します。
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コートデュローヌ(Côtes du Rhône)って何処?
「コートデュローヌ」というのは、南フランスを流れるローヌ河添いに広がる地域です。ただ単に「ローヌ」と呼ばれることもあります。また、地域をさしたり、ワインをさしたりします。スイスからレマン湖を経てフランスに入り、地中海に注ぐローヌ河の渓谷に沿っておよそ200Kmに渡りブドウの栽培地が広がっている地域です。フランス第2の規模を誇るワイン産地です。そのローヌ地方は北部と南部に分けられ、それぞれ気候やワインのスタイルが異なります。
コートデュローヌのワインの特徴
北部と南部とでは気候風土が全く違います
北部は大陸性気候で寒暖の差が激しく、ブドウ畑は傾斜のきつい斜面に広がっています。主要品種はシラー(Syrah)で、骨組がしっかりした力強いワインです。白はヴィオニエ(Viognier)というブドウ品種による酸味が利いて香り高いワインとなります。また、マルサンヌ(Marsanne)、ルーサンヌ(Roussanne)というマイルドなワインもあります。
南部は地中海性気候のため年間を通じて温暖で、比較的平坦な地にブドウ畑が作られています。温暖な気候のためブドウは完熟し、アルコール度数が比較的高く、酸味が乏しい印象になりがちですが、そのため複数の品種をブレンドして、味覚のバランスを保っています。
ですので、コート・デュ・ローヌのワインを説明するには、北部と南部と分けて語る必要があるのです。次にそれぞれの代表するワインを紹介します。
コート・デュ・ローヌ 北部の代表的ワイン
コート・ロティ(Cote-Rotie)
エルミタージュ(Hermitage)
クローズ・エルミタージュ(Crozes-Hermitage)
コルナス(Cornas)
サン・ジョセフ(St-Joseph)
コンドリュー(Condrieu)
コート・デュ・ローヌ 南部の代表的ワイン
タヴェル(Tavel)
リラック(Lirac)
シャトーヌフ・デュ・パプ(Chateauneuf-du-Pape)
ヴァケイラス(Vacqueyras)
ジゴンダス(Gigondas)
コート・デュ・リュベロン(Cotes du Luberone)
コート・デュ・ローヌ(Cotes du Rhone)
★栽培面積で南部地域が圧倒的に多いため、コート・デュ・ローヌといえば、ほとんどが南部の事を指すことが多いです。私は北部を訪れたことが無いためいい加減なことは言えませんが、一般論から、安価でリーズナブルなワインが多いローヌ南部のワインをおススメしています。
次に、今回私が訪れました南部を代表する「シャトーヌフ・デュ・パプ」について特筆したいと思います。
シャトーヌフ・デュ・パプ(Châteauneuf-du-Pape)
まずは土壌なのですが、上記写真をご覧ください。丸い石に覆われた赤い粘土土壌が特徴なのです。高い保温効果を持ち、日中の熱を蓄えることが、ぶどうの熟成に重要な役割を果たすのだといいます。そのほかにも粘土質石灰岩、砂質、赤い砂岩の地域もあるそうです。ミストラルと呼ばれる、強い季節風(地中海に向けて吹き下ろす北風)の影響を受けるのだそうです。
地中海性気候に属し、一年を通じて気温が高く、乾燥しています。私が訪れたシャトーは、「clos LA ROQUETE」快く受け入れてくれました。1本買って日本に帰り、最終稿の料理の中で、寄せ鍋に合わせて飲みました。どのソムリエもワイン評論家もおススメしない取り合わせです。が、いいんです!飲む人の勝手ですので。ワインの世界を広げましょう!
シャトーヌフ・デュ・パプのワインの特徴
造られるワインの9割以上が、グルナッシュ種をメインとする赤ワインとなります。用いられるぶどうの品種は13種。赤ワインの使用品種はグルナッシュ種をメインとし、ムールヴェードル種、サンソー種、シラー種、クノワーズ種。白ワインはグルナッシュ・ブラン種、クレレット種などの混醸によります。
果実味の引き立った味わいで、甘みと酸味がほどよいバランスをキープし、グルナッシュ種による赤い果実を思わせるアロマも際立ちます。ただ、ちょっと高いかなぁ、安くても3000円台。プレミアムだと1万円しちゃうので。
なので、ローヌワインのおススメは、1000円前後で買えるそのまんまの名称の「コートデュローヌ」です。そのローヌワインに合う料理を次にあげてみます。番外で最後に強引に?「寄せ鍋」画像になってますが、合う合わないはその人の感じ方ひとつなのでご了承ください。
コートデュローヌに合う料理
コートデュローヌのワインは、パリのビストロや全土の一般家庭で、最もポピュラーに飲まれているワインであり、フランス料理全般に合います。
コクのある赤ワインには、焼いた赤身の肉、ソースで煮込んだ肉、猪や鹿肉、クセのあるチーズが合い、供出されています。
白や辛口ロゼワインに良く合う料理は、揚げた魚、ハム・ソーセージ、白身の肉、焼いた鶏肉、まろやかなチーズなどです。
甘口の白ワインにはアペリティフやデザートを合わせます。
主な料理を数点あげてみます。
①コック・オーヴァン(Coq au vin)
筆者が現地で食したものが上記画像です。雄鶏の赤ワイン煮込み料理で、フランスの田舎料理の代表格。鶏腿肉、ベーコン、マッシュルーム、タマネギなどを赤ワインで煮込み、黒コショウの風味を利かせたもの。全土で食されていて最もポピュラーなMENUです。しっかりとした赤ワインで無くても、安い「コートデュローヌ」のワインで十分合います。私しか言わないかもしれませんが、白ワインでも合います。
②ポーク・ロティ(Pork rôti)
ポークをこんがりと焼いてから季節の野菜と一緒に赤ワイン、はちみつ、ヴィネガーで軽く煮込んだ料理です。
「クローズ・エルミタージュ」など、力強く骨格のしっかりした重厚かつ複雑な風味の赤ワインに合います。
③サンマルスラン(Saint-Marcellin )
とっても濃厚でとろっとろでクリーミーなチーズです。そのままクラッカーやパン塗っただけでもその存在感は十分です。表皮が薄く食べやすく、鼻から抜けるミルクの香りも良いです。あまりアンモニアっぽい匂いも無く、とろけさせて軽くトーストしてパリッと食べたりします。フルーティーなコートデュローヌの赤でも白でもロゼでもワインにばっちり合います。まあ、普通、チーズとワインは何でも合いますが、あえて紹介します。
④ガレットデロワ (galette des rois)
フランスで最も一般的なものは、紙の王冠がのった折りパイにフランジパーヌ(アーモンドクリーム)が入ったパイ菓子で、中にフェーヴ(fève、ソラマメの意)と呼ばれる陶製の小さな人形が一つ入っていて、公現節(1月6日)に家族で切り分けて食べ、フェーヴが当たった人は王冠を被り、祝福を受け、幸運が1年間継続するといわれているそうです。名称の「ロワ」(王たち)とはフランス語で「ロワ・マージュ」(rois mages)と呼ばれる東方の三博士のことです。よく合うワインは、甘口の「ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ」です。
番外:寄せ鍋
これは私の主張、持論になります。コート・デュ・ローヌのワインは、和食でもいいんです。気軽に飲んで頂きたい!そんな気持ちで、我が家の寄せ鍋です。いいんです。美味しかったのですから!ここはスルーしてください。
コートデュローヌのワインと料理のまとめです
コートデュローヌ(Côtes du Rhône)って何処?
コート・デュ・ローヌは、フランスを南北に流れる広大な河川「ローヌ河」沿いに広がるフランス第2の規模を誇るワイン産地です。
コートデュローヌのワインの特徴
北部と南部とでは気候風土が全く違います
★栽培面積で南部地域が圧倒的に多いため、コート・デュ・ローヌといえば、ほとんどが南部の事を指すことが多いです。私は北部を訪れたことが無いためいい加減なことは言えませんが、一般論から、安価でリーズナブルなワインが多いローヌ南部のワインをおススメしています。
シャトーヌフ・デュ・パプ(Châteauneuf-du-Pape)
果実味の引き立った味わいで、甘みと酸味がほどよいバランスをキープし、グルナッシュ種による赤い果実を思わせるアロマも際立ちます。
コートデュローヌに合う料理
①コック・オーヴァン
②ポーク・ロティ
③チーズ:サンマルスラン
④ガレットデロワ
番外:寄せ鍋
「コートデュローヌ」は、ワインの勉強を少しでもしている方なら誰でも知っている名前ですが、意外と足を運ばない地域です。ニースあたりですと良く日本人の観光客とすれ違いましたが、ここではガイドさん以外ほとんど会いませんでした。ボルドーに近いせいか高級ワインも多い地域ですが、プロヴァンスにも似たフレッシュ&フルーティなワインも多い地域です。コストパフォーマンスもあり、おススメです。日本のスーパー等でも良く売られていますので、手に取ってみてください。和食にも合うのです。
